血液内科について
血液のバランスが崩れることで
さまざまな病気に繋がります
血液疾患としてよく日常診療で目にするものに、貧血、白血球の増加と減少、血小板の増加と減少など血液のバランスが崩れてしまう病気があります。
例えば、貧血では赤血球が少なくなっていますが、その原因はさまざまであり、治療方法も原因に応じて異なってきます。当院ではこれらの病気の診断、治療を行います。クリニックで対応が困難な時は連携医療機関と協力して治療にあたります。
こんな場合はご相談ください
TROUBLE
- 赤血球数の低下(貧血):疲労、脱力感、息切れなど
- 赤血球数の増加(多血症):頭痛や赤ら顔など
- 白血球数の低下、抗体の減少:発熱や感染症を繰り返し起こす
- 血小板数の低下、血液凝固因子の低下:異常な出血、点状出血、皮下出血など
- 血小板や血液凝固因子の増加:血栓症による脚の腫れ、発赤、熱感、息切れなど
- 血液のがんによる症状:リンパ節の腫れ
具体的な診察・検査
対応している血液疾患など
減少性紫斑病
当院の治療について
鉄欠乏性貧血
体内の鉄が不足すると赤血球に含まれるヘモグロビンが作れなくなるため、鉄欠乏性貧血は起こります。鉄欠乏性貧血は貧血の中で最も頻度が高い疾患です。体内には3gから5gの鉄が存在し、その大部分はヘモグロビンとして赤血球の中に含まれています。鉄はリサイクルによって体内に維持されているので、1日に必要な鉄の量は1mg~2mg程度です。「食事によって吸収される鉄の量」と「身体から失われる鉄の量」が釣り合っていれば鉄欠乏の状態になることはありません。鉄欠乏の状態となる原因は、①鉄需要増加、②鉄供給の低下、③鉄喪失の3つです。①鉄の需要が増加するのは思春期や妊娠した時です。②鉄供給の低下となるのは、鉄の摂取不足や鉄がうまく吸収されない時です。③鉄が喪失するのは、月経、消化管出血、婦人科疾患などがあります。
治療は鉄欠乏の原因を除去することと鉄の補充になります。胃十二指腸潰瘍、ポリープ、がん、痔などの消化器疾患の確認や女性では子宮筋腫などの婦人科疾患を調べることが重要です。鉄剤の補充の原則は鉄剤の経口投与を行います。鉄剤の内服では10~20%の方に悪心(むかつき・吐き気)、嘔吐、便秘、下痢などの消化器症状が出現します。症状が強い場合は、鉄剤を変更したり、食事中や睡眠前に内服するなどの工夫をしたり、鉄剤を減量することなどで対応します。しかし、どうしても内服ができない方は注射で対応します。最近は新たな注射剤が登場していますので、鉄剤の内服ができない方はご相談下さい。鉄剤の内服で貧血が正常化しても、貯蔵鉄(フェリチン)が少ない状況ではすぐに鉄欠乏性貧血は再燃してしまいます。ですので、貧血が改善しても貯蔵鉄の蓄えが十分になるまで鉄の補充は必要です。
腎性貧血
腎臓は赤血球をつくることを促すエリスロポエチンを分泌します。腎臓の機能が低下すると腎臓からエリスロポエチンの分泌が減り、赤血球をつくる能力が低下し貧血になります。このようにして発症する貧血を腎性貧血といいます。貧血は徐々に進行するので、身体がその症状に慣れてしまって気がつかないことがあるので注意が必要です。また、貧血の状態では全身が酸素不足に陥っており、これをカバーするために常に心臓に負担がかかっています。腎臓の機能が低下している方は、採血検査でヘモグロビンの値を調べると貧血かどうか分かります。貧血の症状が悪化する前に適切な治療を行うことが大切です。腎性貧血の治療はエリスロポエチンの分泌不足を補う注射薬や体内のエリスロポエチン産生を促す内服薬を用います。治療の途中で鉄が足りなくなることもあるので、そのような時には鉄を補います。(鉄欠乏性貧血を参照)
治療はヘモグロビン値10.0 g/dL未満で開始し、10g/dL~12g/dLの間で維持を目指します。13g/dLを越えないように減量や休薬を考慮しますが、なるべく12g/dLを越えないようにするように勧められています。
がん内科について
最近のがん薬物療法は、
入院する必要はなく、外来通院で
安全に行えます
抗がん剤、分子標的薬剤、ホルモン療法剤、免疫療法剤といった薬物療法はがん治療の柱です。多くの新規薬剤が開発され、最近のがん薬物療法は、入院する必要はなく、外来通院で安全に行えます。
自宅に近いところに診療所があれば、出勤前や仕事帰り、家事の合間の時間に仕事や家事を犠牲にすることなく治療が受けられ、また、総合病院と同じ治療を当院で受けることができます。緩和ケアはがんと診断された時から始まるため、緩和ケアを薬物療法とともに行います。がんと診断されると気分が落ち込むこともあります。
また、診断された時点で、すでに痛みや息苦しさなどの症状がある場合もあります。緩和ケアは、がんが進行してから始めるものではありません。がんの治療とともに、がんに伴う心と身体のつらさを和らげる治療です。
こんな場合はご相談ください
TROUBLE
- がんの薬物療法が必要な方もしくはがんの薬物療法を受けている方
※がんの種類は問いません。がん薬物療法専門医として、血液のがん、乳がん、前立腺がん、胃がん、大腸がん、卵巣がんなど様々な癌腫の治療を担当してきました。遠慮なくご相談ください。
具体的な診察・検査
対応しているがん治療
当院の検査について
適切な検査を行い病気を診断します
当院で行うことが可能な検査は、採血検査、尿検査、便検査、骨髄穿刺、胸部レントゲン検査、心電図検査です。血液の病気の多くは、これらの検査で診断が可能です。CT検査、PET-CT検査、MRI検査などの画像検査が必要となることがありますが、連携医療機関に依頼して行います。
がんと診断するには病理検査が必要です。そのためには、腫瘍を採取して、がんであるかどうかの最終的な診断を行います。当院では、腫瘍を採取して診断することはできませんので、診断ができる施設をご紹介します。